白髪が染まる仕組み
ヘアカラーは2種類の薬剤から成り立ち、混合して使用する
それでは白髪はなぜ、染まるのでしょう。ここでは、白髪を染める仕組みについてお話したいと思います。
白髪を染めるためよく使われるヘアカラーには、1剤と2剤と呼ばれる2つの薬剤で構成されています。1剤には酸化染料とアルカリ剤が含まれており、2剤には酸化剤が含まれています。これらを使用する直前に合わせると、酸化染料が発色するのです。髪につけるとそれぞれの色合いが、あらわれてきます。
それではまず、1剤がどんなものなのか、その成分と働きをご説明したいと思います。
1剤はキューティクルを開かせ、染料剤を髪の中に浸透させる
1剤は、〈酸化染料〉と〈アルカリ剤〉の2種類が配合されています。〈酸化染料〉というのは白髪染めの色のもとになり、ジアミン系といわれる成分でできているようです。主にパラフェニレンジアミン(PPD)や、トルエン-2.5-ジアミンなどが使われています。
一方〈アルカリ剤〉のほうは、髪のキューティクルを開かせ、染料剤を髪の内部に浸透させる役割を担います。アンモニアやモノエタノールアミンなどが、1剤の主な成分です。
では2剤のほうは、どんな成分でできているのでしょうか。こちらは酸化剤と呼ばれる過酸化水素水で構成されています。この過酸化水素水は、1剤に含まれているアンモニアによって分解されると酵素を発生するのです。そしてこの酵素が1剤の酸化染料の発色を促し、黒褐色や赤色、黄色などの独特の色合いにしてくれます。
キューティクルがはがれやすい1剤、たんぱく質を破壊する2剤
次に、髪が染まるまでの流れを、ご紹介しましょう。以下をご覧ください。
(1)混合液をつくり、髪に塗る
1液と2液を混ぜたものは、一般的に混合液と呼ばれています。この混合液を、乾いた髪に塗布してください。
(2)1液の成分が、髪の混合液の侵入先をつくる
髪にあるキューティクルは、いわば髪のバリア機能です。これが閉じた状態であれば、混合液を髪の内部に浸透させることができません。それで1剤液のアルカリ剤でキューティクルを開かせ、混合液の侵入先をつくります。
(3)メラニン色素を脱色し、染料を発色させる
1剤のアルカリ剤が2剤の過酸化水素水を分解すると、酵素が発生します。
酵素は髪の内部にあるメラニン色素を脱色するとともに、1剤の酸化染料を発色させつつ、髪の内部に染みこんでいきます。
(4)染料の定着
発色した酸化染料は、互いに結合し、もとのサイズより大きな粒子となります。
この粒子はキューティクルから外部に漏れることがなく、水にも溶けない物質に変わるのです。そして、閉じてしまったキューティクルにより、完全に髪の内部に閉じ込められます。こうして染料が定着し、洗っても落ちない永久染毛になるのです。
ヘアカラーを使用すると、髪がダメージを受けやすいといわれます。それは、2剤に含まれる過酸化水素が、髪を構成するタンパク質を破壊する作用があるからです。
しかも1剤に含まれるアルカリ剤は、染料を髪の内部に浸透させるために必要な薬剤。そのため、アルカリ剤が髪に残っていると、キューティクルが開いたままとなり、はがれやすくなります。こういったところでも、髪は傷つきやすくなっているのです。
また、アルカリ性の状態になった髪は、酸性リンスなどを用いることによって髪本来の姿である弱酸性の状態に戻すことができます。ただしこの酸性が強すぎると、髪のPH値が急激に下がり、ヘアカラーの色素が破壊されたりします。
できれば、中和に使用する酸性リンスを吟味し、ヘアカラーの色素を維持しながら、髪が傷まないよう気を配ることが肝要です。